名古屋市上下水道局

「快適・健康・お風呂シンポジウム」を開催しました!

名古屋市上下水道局×名古屋市立大学開学65周年記念事業

お風呂シンポロゴ




 


 平成27年9月26日(土)、名古屋市立大学と共同で「快適・健康・お風呂シンポジウム」を開催しました。

 水にまつわる、より充実したライフスタイルの一助とすることを目的にしたもので、お風呂に関する健康上の効果の紹介や、学識者、一級建築士、お風呂メーカー、アイドルなど様々な立場からお風呂について語るパネルディスカッションなど、お風呂に入りたくなる情報をお届けしました。

【開催日時】
 平成27年9月26日(土) 午後1時30分~午後4時

【開催場所】
 名古屋市立大学桜山キャンパス さくら講堂 (名古屋市瑞穂区川澄町字川澄1)

【参加人数】
 350人


■研究中間報告(要旨)
 報告者 名古屋市立大学看護学部 池田 由紀 准教授研究中間報告
 
 テーマ 
 「健康成人の入浴形態の違いによるリラクセーション効果の検討」

 内 容
 20代の女子大学生10名を対象に、浴槽入浴・シャワー浴それぞれで、リラクセーション効果がどのように変わるのか、以下の条件での各項目について比較調査を行っています。

  調査条件
   浴槽入浴の場合:半身浴で40度のお湯に10分間つかる
   シャワー浴の場合:イスに座った状態で、40度のお湯を10分間浴びる

  調査項目(入浴前、入浴直後、入浴から30分後に測定)
   気分の変化
   脈拍の変化
   血圧の変化
   心電図の変化

 現時点では、シャワー浴・浴槽入浴ともにリラクセーションに効果が期待できる、との結果が見受けられます。
 特に、交感神経が低下し、副交感神経優位が入浴から30分後まで影響している傾向があった、浴槽入浴のほうがよりリラクセーションの持続に効果がある可能性があると考えています。





■基調講演 (要旨)
 講演者 東京都市大学人間科学部 早坂 信哉 教授基調講演

 テーマ
 「凄い、お風呂の力!」

 内 容
 お風呂で毎日を健やかに過ごすにはどうしたらよいでしょうか?
 
 答えは毎日お風呂に入ること。

 ある研究によれば、毎日お風呂にはいる人は、5年後、そうでない人と比べて1.85倍も要介護にならずにいられることが分かっています。


 お風呂で得られる効果は以下の4つがあげられます。
 1.温熱作用…体が温まって血流がよくなる
 2.浮力作用…肩までつかると体重が10分の1になり、リラックスできる
 3.清浄作用…体をきれいにする
 4.水圧作用…むくみが改善でき、血流がよくなる

 このうち、浮力作用と水圧作用はシャワーでは得ることができません。また、半身浴では効果が半分になります。そのため、浴槽入浴、とりわけ全身浴をおすすめしています。


 一方で、高齢者の入浴中の事故も報道されています。
 事故を防ぐために、医学的に正しいお風呂の入り方についてご紹介します。

 まず、脱衣所に暖房をつけることで、浴室と脱衣所の温度差をなくすこと。
 多めにかけ湯をすること。
 湯の温度は40℃くらいまでにすること。熱すぎると、血圧が急上昇し、血栓ができる原因となります。
 額や鼻の頭に汗をかき始めたら出ること。
 そして、立ちくらみを防ぐためにゆっくり立ち上がること。
 以上の点が大切です。

 最後に、お風呂に入る前後でやるべきことをご紹介します。

 運動直後などの入浴を控え、30分くらい休憩してから入浴してください。
 
 また、入浴前後には常温の水、水道水などを飲んでください。
 入浴中は汗をかくため、水分が失われます。
 
 入浴後にも30分ほど休憩しましょう。
 
 お風呂から出た後は、10分以内に保湿ケアをしてください。
 あまり長いことお風呂に入っていると、肌を守る保湿成分であるセラミドがお湯の中に溶け、かえって乾燥してしまいます。
 
 名古屋は名水百選にも選ばれた、木曽川を水源にした水道水がお風呂に使えます。
 この贅沢な水をぜひ使ってください。


★上下水道局メールマガジン『名水レター』にて配信していた、早坂教授のお風呂コラムはこちらから!


■パネルディスカッション~お風呂を楽しく、快適に!~
 
学識者、一級建築士、お風呂メーカー、アイドルなど様々な立場から、お風呂に関する3つのテーマについて語りました。

パネリスト
池田 由紀 准教授
早坂 信哉 教授
杉本 智美
名古屋市立大学
池田 由紀 准教授
東京都市大学
早坂 信哉 教授
名古屋市上下水道局
杉本 智美
走川 礼奈さん
齋藤 知加子さん
清里 千聖さん
一級建築士
走川 礼奈 さん
TOTO株式会社
齋藤 知加子 さん
OS☆U
清里 千聖 さん

 以下に代表的なコメントをご紹介します。
 

●テーマ1 私のお風呂感
清里さん
 半身浴が好きでお風呂用のプラネタリウムを持ち込み、ゆっくり入っています。入浴剤を入れるのも好きですね。時間があるときには、スーパー銭湯に行くこともありますよ。

杉本
 名古屋の水源である木曽川は、軟水の中でも硬度が低い水です。軟水は硬水に比べ、体の汚れが取れやすいのが特徴です。水道水の塩素臭が気になるときには、ビタミンCを入れると効果的。緑茶にも含まれているので、お茶パックに入れて試してみてください。


●テーマ2 入浴の効用
早坂先生
 水圧や浮力の作用は非常に重要でシャワー浴では得られない。浴槽入浴、特に全身浴で効果を受けてほしいですね。

池田先生
 看護師としての経験から、入院中は安全を考えてシャワーですが、退院してからお風呂に入れるよう、入院中に練習していきます。そうすると患者さんが、元気になってきたと実感できるんです。


●テーマ3 お風呂をもっと楽しく、快適に
走川さん
 お風呂は北側へ置きがちですが、庭などが見えるよう、配置をかえるだけでお風呂からの眺めが良くなります。建て替えや改築・リフォームの際に検討してみてください。

齋藤さん
 浴室内にベンチを配置することで、長時間お風呂に入るときに休憩したり、お子さん、お孫さんと入るときに体を洗ってあげやすくなり、コミュニケーションの向上につながります。こういった設計の新製品もあります。

●質疑応答
 Q:ダイエットに効果的なお風呂の入り方は?
 A:実はお風呂だけではあまりダイエットに効果はありません。
   食前に入浴して胃腸の働きを抑える、または入浴後の新陳代謝が上がっている時間に
   運動するなどの工夫が必要です。(早坂先生)

 Q:夜の入浴と朝の入浴では、何か違いがありますか?
 A:午前中に入浴するのと、夕方に入浴するのでは入る意味合いが違ってきます。
   朝なら体を活動的・活発にさせるため、夜は休息させるため。
   朝に入浴しても問題はありません。(早坂先生)
   夜、くたくたに疲れていて、お風呂に入るのもつらいときは無理に入らず、
   休息を優先しても良いと思います。(池田先生)

 Q:名古屋の街中でも、薪風呂に入りたいのですが?
 A:銭湯の中には、薪でお湯を沸かしているところがあります。
   一緒に入ることで家族のコミュニケーションにもつながるので、ぜひ行ってみてください。(走川さん)
 
 

 シンポジウムという場ではありますが、会場からは時折笑い声が上がるなど、終始和やかな雰囲気で進めることができました。

 ご来場いただいたお客さまからは、「もっと浴槽入浴を増やしたいと思います」との声をいただきました。