財政のあらまし 令和2年度決算(下水道事業)
最終更新日:2021年10月19日
令和2年度決算の概要
《事業の概況》
上下水道局では、将来にわたり安定的に事業を継続していくための中長期的な経営の基本計画である「名古屋市上下水道経営プラン2028」(計画期間:令和元年度から令和10年度)の着実な遂行に努めています。令和2年度においては、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、市民生活や社会活動を支えるライフライン機能を維持するため、業務を継続していく体制を整えながら、安定的な上下水道サービスの提供に努めました。
処理状況については、1日平均処理水量は前年度に比べて2万5,301立方メートル増加し、122万6,299立方メートルとなりました。
主要な建設改良事業として、下水道基幹施設については、第2次下水道基幹施設整備計画に基づき、空見スラッジリサイクルセンター第2期施設の整備をすすめ、DBO方式を採用した事業の中で建設した下水汚泥固形燃料化施設が令和2年11月に稼働しました。また、宝神水処理センターなど老朽化した施設の改築にあわせて耐震化をすすめるとともに、河川の氾濫により浸水被害が生じる可能性がある鳴海水処理センターについて、東海豪雨相当の浸水への対策(整備済)からさらなる耐水化をすすめました。つぎに、下水管については、第9次下水管路調査改築計画に基づき、下水管の調査をすすめるとともに、老朽化した下水管から計画的に改築及び耐震化を実施しました。また、重要な下水管の耐震化を優先的にすすめるとともに、液状化想定区域内の重要な下水管に接続するマンホールの浮上防止対策を完了しました。このほか、下水管に起因する道路陥没の主な原因となっている取付管について調査・改良工事を実施するとともに、空洞調査に取り組みました。
さらに、名古屋市総合排水計画に基づき、名古屋駅周辺を含む中川運河上流地域などの浸水対策として、名古屋中央雨水調整池や広川ポンプ所などの整備をすすめるとともに、既存施設の改築・更新にあわせたポンプ設備の増強などを実施しました。
また、水環境の向上として、下水道の未整備地域の解消に向けた中川区及び港区の庄内川西部地区、守山区の志段味地区並びに緑区の一部地区等の普及促進事業をすすめるとともに、植田水処理センターにおいて窒素・りんをより多く除去できる高度処理の導入をすすめました。あわせて、雨天時の処理水質を向上させるため、千年水処理センター簡易処理高度化施設の整備など合流式下水道の改善を推進するとともに、堀川上中流部及び新堀川上流部のさらなる水質浄化策について、早期に効果を発揮する対策の検討などを行いました。
経営収支については、収入面において、新型コロナウイルス感染症の影響により、下水道使用料が前年度に比べ11億9千万円余の大幅な減収となり、支出面においては、前年度に比べ維持管理費や企業債の支払利息が減少したことなどにより、17億1千1百万円余の当年度純利益を計上しました。
R2損益計算書・貸借対照表(下水)(pdf 59kb)
《収益的収支の概況と貸借対照図》
《令和2年度決算における処理原価および純利益の使途について》
汚水1立方メートルを処理するのに要した費用は108.85円(消費税等を除く、以下同じ)で、その内訳は以下のとおりでした。
なお、雨水処理にかかる費用については全額、市民の皆様からいただく税金で賄われています。
令和2年度は約17億円の純利益を計上しました。今後、水処理センター等の基幹施設や下水管の老朽化対策及び地震対策などの建設改良事業の財源として使用します。