名古屋市上下水道局

財政のあらまし 令和3年度決算(下水道事業)

最終更新日:2022年11月08日

令和3年度決算の概要

《事業の概況》

上下水道局では、将来にわたり安定的に事業を継続していくための中長期的な経営の基本計画である「名古屋市上下水道経営プラン2028」(計画期間:令和元年度から令和 10 年度)の着実な遂行に努めています。令和3年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響が引き続く中、市民生活や社会活動を支えるライフライン機能を維持するため、業務を継続していく体制を整えながら、安定的な上下水道サービスの提供に努めました。

処理状況については、1日平均処理水量は前年度に比べて1万 5,233 立方メートル減少し、 121 1,066 立方メートルとなりました。

主要な建設改良事業として、下水道基幹施設については、第2次下水道基幹施設整備計画に基づき、鳴海水処理センターなどの老朽化した施設の改築及び耐震化を進めるとともに、空見スラッジリサイクルセンター第2期施設(焼却施設)の事業方式をDBO方式で整備することを決定しました。また、大規模地震発生等に伴う長時間の停電に対応できるよう守山水処理センターの非常用発電設備を整備するとともに、河川の氾濫等により浸水被害が生じる可能性がある鳴海水処理センターなどについて、 さらなる耐水化を進めました。これらの施設整備に加え、水処理センターを再構築するための基本方針を策定しました。下水管については、第9次下水管 路調査改築計画に基づき、下水管の調査及び改築を計画的に実施しました。また、指定避難所等と水処理センターを結ぶ下水管などの重要な下水管については優先的に耐震化を進めました。さらに、下水管に起因する道路陥没の主な原因となっている取付管について調査・改良工事を実施するとともに、空洞調査に取り組みました。

浸水対策として、名古屋市総合排水計画に基づき、名古屋中央雨水調整池や広川ポンプ所などを整備するとともに、既存施設の改築・更新にあわせたポンプ設備の増強などを実施しました。

水環境の向上として、中川区及び港区の庄内川西部地区、守山区の志段味地区、緑区の一部地区の下水道未整備地域について、土地区画整理事業などと整合を図りながら、下水道整備を進めるとともに、植田水処理センターにおいて窒素・りんをより多く除去できる高度処理の導入を進めました。また、雨天時の処理水質を向上させるため、千年水処理センター簡易処理高度化施設の整備など合流式下水道の改善を推進するとともに、堀川上中流部及び新堀川上流部におけるさらなる水質浄化策として、雨水幹線の設計などに取り組みました。

経営収支については、収入面において、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、前年度に比べ下水道使用料が2億3千4百万円余の減収となり、厳しい状況が引き続く一方で、雨水処理費負担金等は増収となりました。支出面においては、前年度に比べ維持管理費が増加した一方で、企業債の支払利息が減少したことなどにより、 15 億9千1百万円余の 当年度純利益 を計上しました。

令和3年度名古屋市下水道事業損益計算書、貸借対照表(pdf 58kb)


《収益的収支の概況と貸借対照図》

損益計算、貸借対照図(下水道事業)


《令和3年度決算における処理原価および純利益の使途について》

汚水1立方メートルを処理するのに要した費用は109.56円(消費税等を除く、以下同じ)で、その内訳は以下のとおりでした。
処理原価および純利益の使途について(R3)

なお、雨水処理にかかる費用については全額、市民の皆様からいただく税金で賄われています。

令和3年度は約15億9千万円の純利益を計上しました。今後、水処理センター等の基幹施設や下水管の老朽化対策及び地震対策などの建設改良事業の財源として使用します。

名古屋雨水調整池の整備