財政のあらまし 令和4年度決算(下水道事業)
最終更新日:2023年10月27日
令和4年度決算の概要
《事業の概況》
上下水道局では、将来にわたり安定的に事業を継続していくための中長期的な経営の基本計画である「名古屋市上下水道経営プラン2028」(計画期間:令和元年度から令和 10 年度)の着実な遂行に努めています。令和4年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響が引き続く中、市民生活や社会活動を支えるライフライン機能を維持するため、業務を継続していく体制を整えながら、安定的な上下水道サービスの提供に努めました。
処理状況については、1日平均処理水量は前年度に比べて 4 万 2,537 立方メートル減少し、 116 万 8,529 立方メートルとなりました。
主要な建設改良事業として、下水道基幹施設については、第2次下水道基幹施設整備計画に基づき、空見スラッジリサイクルセンター第2期施設(焼却施設)の整備に着手するとともに、宝神水処理センターなどの老朽化した施設の改築及び耐震化を進めました。また、大規模地震発生等に伴う長時間の停電に対応するため、鳴海水処理センターなどの非常用発電設備の整備など停電対策に取り組むとともに、河川の氾濫等により浸水被害が生じる可能性がある福田ポンプ所などのさらなる耐水化を進めました。これらの施設整備に加え、水処理センターを再構築するための基本方針を踏まえて、堀留水処理センター及び熱田水処理センターの廃止に向けた山崎水処理センター改築の設計及び汚水送水管の設計に着手しました。下水管については、第9次下水管路調査改築計画に基づき、下水管の調査及び改築を計画的に実施しました。また、指定避難所等と水処理センターを結ぶ下水管などの重要な下水管については優先的に耐震化を進めました。さらに、下水管に起因する道路陥没の主な原因となっている取付管について調査・改良工事を実施するとともに、空洞調査に取り組みました。
浸水対策として、名古屋市総合排水計画に基づき、名古屋中央雨水調整池や広川ポンプ所などを整備するとともに、既存施設の改築・更新にあわせたポンプ設備の増強などを実施しました。
大雨に関する防災情報等の普及・啓発として、公共施設において雨水の貯留・浸透施設の設置を進めるとともに、市民・事業者の雨水流出抑制への取り組みを一層推進するため、雨水流出抑制施設の設置に対する助成制度を導入しました。
水環境の向上として、中川区及び港区の庄内川西部地区、守山区の志段味地区、緑区の一部地区の下水道未整備地域について、土地区画整理事業などと整合を図りながら、下水道整備を進めるとともに、植田水処理センターにおいて窒素・りんをより多く除去できる高度処理を導入しました。また、雨天時の処理水質を向上させるため、千年水処理センターなどで簡易処理高度化施設の整備など合流式下水道の改善を推進するとともに、堀川上中流部及び新堀川上流部におけるさらなる水質浄化策として、雨水幹線の設計などに取り組みました。
経営収支については、収入面において、新型コロナウイルス感染症の影響などにより厳しい状況が続く中でも、水道以外汚水の有収水量が増加したことなどにより、下水道使用料は前年度に比べ6千6百万円余の増収となり、雨水処理費負担金等も増収となりました。支出面においては、急激なエネルギー価格の高騰に伴う電力費の高騰などの影響で維持管理費が前年度に比べ大幅に増加した一方で、企業債の支払利息が減少したことなどにより、1億3千2百万円余の当年度純利益を計上しました。
令和4年度名古屋市下水道事業損益計算書、貸借対照表(pdf 58kb)
《収益的収支の概況と貸借対照表》
《令和4年度決算における処理原価及び純利益の使途について》
汚水1立方メートルを処理するのに要した費用は116.33円(消費税等を除く、以下同じ)で、その内訳は以下のとおりでした。
なお、雨水処理にかかる費用については全額、市民の皆様からいただく税金で賄われています。
令和4年度は約
1
億円の純利益を計上しました。今後、水処理センター等の基幹施設や下水管の老朽化対策及び地震対策などの建設改良事業の財源として使用します。