下水汚泥固形燃料化物の肥料登録~循かん大なごん~について
最終更新日:2024年11月22日
下水汚泥の肥料利用に対応すべく、固形燃料化物(乾燥汚泥)を全国で初めて(注1)「菌体りん酸肥料(注2)」に登録しました。 下水汚泥の肥料登録を通じ、循環型社会の構築に貢献してまいります。
●下水汚泥の肥料利用
●肥料登録について
(1)本市の肥料登録
①肥料の名称:『循かん大なごん(じゅんかんだいなごん)』
②保証成分量: りん酸全量 3.0パーセント、窒素全量 4.0パーセント
りん酸に加え、窒素についても保証値を設定しています。
③有害成分:肥料に含まれる有害成分は、農林水産省告示に示された基準値(注3)以下です。
ひ素 | カドミウム | 水銀 | ニッケル | クロム | 鉛 | |
---|---|---|---|---|---|---|
分析値 | 4 | 0.6 | 0.35 | 50 | 60 | 18 |
基準値 | 50 | 5 | 2 | 300 | 500 | 100 |
④生産事業場:空見スラッジリサイクルセンター下水汚泥固形燃料化施設
(2)肥料名称・ロゴマーク
肥料名称、ロゴマークは、本市の職員が考案しました。『循かん』は、下水汚泥は循環する資源であることを広くPRしたいとの想いを込めています。『大なごん』は、初代尾張藩主である徳川義直らの官位「従二位権大納言(じゅにいごんのだいなごん)」に由来し、語呂から名古屋を連想できるようなネーミングとしました。『循かん大なごん』を使用することにより、植物が大きく育ってほしいとの願いを込めています。
(3)肥料登録の効果と取り組み
既存の固形燃料化物製造施設を活用して、新たな設備投資をすることなく、肥料製造を行います。これまでの温室効果ガス削減の取り組みに加え、下水汚泥を肥料にも利用するという新たな道が開かれました。
事業者や肥料メーカー等と協力しながら、下水汚泥の肥料利用の拡大に努めます。
『循かん大なごん』を、空見スラッジリサイクルセンター内の花壇で利用を開始しました。花の生育状況などをモニタリングし、『循かん大なごん』の効果などについて確認します。得られた知見をもとに、今後の利用拡大に向けて検討を進めていきます。
(注1)公定規格「菌体りん酸肥料」への登録において、原料に「固形燃料化物(乾燥汚泥)」を利用したことが全国初です。
(注2)「菌体りん酸肥料」とは、下水汚泥資源などの国内資源の利用拡大のため、新たに創設された公定規格です。品質管理が徹底されるため、肥料成分を保証でき、他の肥料と混合しての販売が可能です。
(注3)「令和5年9月1日農林水産省告示第1053号(肥料の品質の確保等に関する法律に基づき普通肥料の公定規格を定める等の件の一部を改正する件)」において、含有を許される有害成分の最大量が定められています。