語句解説
最終更新日:2023年11月14日
項目 | 説明 |
---|---|
透視度 | 水の濁りの程度を示す指標の一つです。細長いガラスでできた円筒に水を入れ、上から覗き込んでガラス底部の標識板が見える限界の水の高さを、1cmを1度として表します。 |
水素イオン濃度(pH) | 水が酸性かアルカリ性かを示す指数です。pH値7が中性で、7より数値が小さいほど酸性が強くなり、7より数値が大きいほどアルカリ性が強くなります。 |
浮遊物質量 | 水の濁りの程度を示す指標です。水中に浮遊・懸濁している粒子状物質の量を表します。下水処理で浄化する主要な対象です。 |
BOD(ATU添加) | BODとは生物化学的酸素要求量のことで、水の有機性汚濁の程度を表す代表的指標です。好気性微生物が水中の有機物を栄養源として分解・増殖するときに消費される酸素量で表します。水の浄化が進むと、有機物以外のアンモニアによるBODが加わり、値が高くなることがありますが、ATUという薬品を添加することで、有機物のみに関わるBODを測定することができます。 |
BOD(ATU非添加) | BODとは生物化学的酸素要求量のことで、水の有機性汚濁の程度を表す代表的指標です。好気性微生物が水中の有機物を栄養源として分解・増殖するときに消費される酸素量で表します。水の浄化が進むと、有機物以外のアンモニアによるBODが加わり、値が高くなることがあります。 |
COD(化学的酸素要求量) | 海、湖における有機性汚濁の代表的な指標です。水中に含まれる有機物などを化学的に酸化する際に消費される酸素量で表します。 |
窒素含有量 | 窒素は、し尿や雑排水中のたんぱく質をはじめとする有機化合物に多く含まれています。さまざまな化合物がありますが、その総量を表します。りんとともに、赤潮などを引き起こす富栄養化の原因物質です。 |
アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物 | 硝酸化合物及び亜硝酸化合物は、乳児のメトヘモグロビン血症の原因となります。硝酸化合物、亜硝酸化合物と環境中でこれらに変化するアンモニアとの合計量で表します。 |
りん含有量 | りん化合物の総量です。し尿や雑排水に多く含まれ、窒素とともに赤潮を引き起こす富栄養化の原因物質です。 |
ノルマルヘキサン抽出物質含有量 | 比較的揮発しにくい油分です。排水基準は鉱油類と動植物油脂類に分けて設定されています。油の皮膜や物への付着などにより美観や生物への影響を及ぼします。 |
大腸菌群数 | 人や動物の腸内に存在する大腸菌や細菌群の数を表します。微量のし尿でも大腸菌群が検出されるため、糞便による汚染の程度が分かります。また、大腸菌群が検出されなければ病原菌はほとんど存在しません。 |
カドミウム及びその化合物 | めっき、充電式乾電池、顔料などに使われます。イタイイタイ病の原因物質です。下水中に含まれるカドミウムは、生活全般の排水や電気めっき業などに由来します。 |
シアン化合物 | 体内に取り込まれると、呼吸器官に対して非常に強い毒性を示します。下水中のシアンは、電気めっき業や金属焼入れ業などの排水に由来します。微量でも活性汚泥中の微生物に影響を及ぼし、処理能力を低下させます。 |
有機りん化合物 | 4種の有機りん系農薬を指します。神経中毒を起こし、残留性も高いことから、昭和46年以降、漸次使用及び製造禁止措置がとられています。 |
鉛及びその化合物 | 蓄電池、顔料、めっき、ガラスなどに使用されます。職業性鉛中毒などの慢性毒性を示します。 |
六価クロム化合物 | 下水中の六価クロムは、電気めっき業や金属表面加工業などの排水に由来します。活性汚泥中の微生物に影響を及ぼし、処理能力を低下させます。 |
砒素及びその化合物 | 農薬、殺虫剤、木材防腐剤、半導体などに使用されます。体内蓄積性があり、慢性毒性を有します。下水中の砒素は、生活全般の排水の他、ガラス製造業や半導体製造業などの排水に由来します。 |
水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物 | 無機水銀化合物と有機水銀化合物の総量です。無機水銀は、体温計、蛍光灯、医薬品、歯科アマルガムなどに使用されます。水俣病がクローズアップされてから、使用量が減少しています。 |
アルキル水銀化合物 | 有機水銀化合物の一種です。主に生物作用により生成されます。強い神経毒を有し、高い体内蓄積性を示します。水俣病の原因物質です。 |
ポリ塩化ビフェニル | 電気絶縁体、熱媒体などで広く用いられましたが、カネミ油症事件の原因となり、現在は製造が中止されています。難分解性で生体への蓄積性があります。 |
セレン及びその化合物 | 半導体、光電池、ガラスの着色剤などに使用されます。毒性がありますが生体必須元素でもあります。下水中のセレンは、生活全般の排水の他、ガラス製造業や半導体製造業などの排水に由来します。 |
フェノール類含有量 | フェノール、クレゾール、クロロフェノールなどの総称です。消毒剤、防腐剤、合成樹脂などに使用され、特異な消毒臭を持ちます。 |
銅含有量 | 電線、青銅及びしんちゅうの製品などに使用されます。生体必須元素ですが、水生生物に影響を与えます。下水中の銅は、主に電気めっき業、銅加工業などの排水に由来します。 |
亜鉛含有量 | トタン板、合金、乾電池などに使用されます。生体必須元素ですが、水生生物に影響を与えます。下水中の亜鉛は、主にめっき業、金属表面加工業などの排水に由来します。 |
溶解性鉄含有量 | 水中に溶け込んでいる鉄です。生体必須元素ですが、多いと水が着色します。下水中の鉄は、地下水や金属製品加工業、電気めっき業の排水などに由来します。 |
溶解性マンガン含有量 | 水中に溶け込んでいるマンガンです。乾電池、ガラスの着色、特殊鋼の添加材などに使用されます。生体必須元素ですが、多いと水が着色します。 |
クロム含有量 | ステンレス鋼、合金、めっきなどに使用されます。生体必須元素ですが、水生生物に影響を与えます。下水中のクロムは、主に電気めっき業や金属表面加工業などの排水に由来します。 |
ふっ素及びその化合物 | 金属研磨、ガラス加工、アルミ電解、防腐剤などに使用されます。下水中のふっ素は、地下水の他、鉄鋼業、金属表面加工業などの排水に由来します。 |
ほう素及びその化合物 | ほうろう、陶磁器、ガラスなどに使用されます。海水中には比較的高濃度で含まれます。下水中のほう素は、地下水の他、電気めっき業、窯業、温泉などの排水に由来します。 |
トリクロロエチレン | 揮発性の有機塩素化合物です。金属機械部品等の脱脂洗浄剤などとして工業的に広く使用されます。 |
テトラクロロエチレン | 揮発性の有機塩素化合物です。ドライクリーニングの溶剤、金属機械部品の脱脂洗浄剤などに広く使用されています。 |
ジクロロメタン | 揮発性の有機塩素化合物です。塗料の剥離剤、プリント基板の洗浄剤などに使用されています。 |
四塩化炭素 | 揮発性の有機塩素化合物です。機械器具の洗浄剤などに使用されています。 |
1,2-ジクロロエタン | 揮発性の有機塩素化合物で、可燃性です。塩化ビニル樹脂の原料、有機溶剤として使用されています。 |
1,1-ジクロロエチレン | 揮発性の有機塩素化合物で、爆発性を有しています。塩化ビニリデン樹脂の原料として使用されます。トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタンの分解生成物です。 |
シス-1,2-ジクロロエチレン | 揮発性の有機塩素化合物で、可燃性、引火性があります。溶剤、染料抽出剤などとして使用されます。トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタンの分解生成物です。 |
1,1,1-トリクロロエタン | 揮発性の有機塩素化合物です。金属の洗浄、ドライクリーニング用溶剤などとして広く使用されています。 |
1,1,2-トリクロロエタン | 揮発性の有機塩素化合物です。油脂、ワックス、天然樹脂などの溶剤として使用されています。 |
1,3-ジクロロプロペン | 揮発性の有機塩素化合物で、可燃性です。土壌線虫専用の殺虫剤D-D剤の有効成分であり、農薬として用いられています。 |
チウラム | 農薬の一種である土壌処理殺菌剤です。水稲、野菜、果樹などの土壌殺菌や種子消毒などに用いられています。 |
シマジン | 一年生雑草に対する除草剤として広範囲に使用されています。畑地、林野、河川敷、公園、ゴルフ場などに散布されます。別名CATともいいます。 |
チオベンカルブ | 除草剤として水稲、野菜、山林に使用されます。稲に対しては薬害が少ないとされています。 |
ベンゼン | 揮発性の有機化合物で、引火性があります。工業的に広い用途があり、化学品合成原料、溶剤として使用されます。 |
1,4-ジオキサン | 揮発性の有機化合物です。有機溶剤や安定剤として使われる他、非イオン界面活性剤の洗剤の不純物としても含まれています。 |
ダイオキシン類 | ごみなどの燃焼に伴って発生することで問題となり、対策がとられ排出量が激減しました。発ガン性、催奇性があります。下水処理区域内に、ダイオキシン類を排出する可能性のある施設が存在する場合に、水処理センターに基準が適用されます。 |