名古屋市上下水道局

公園の地下に水処理センター

最終更新日:2022年04月01日

 下水を処理する施設を造るためには、一定のまとまった広い土地が必要となります。
 しかし、名古屋市のような都市化の進んだ都市では、そのような土地を確保するのは容易ではありません。

 昭和28(1953)年に事業認可を取得し、建設計画が進められた名城水処理センターにおいても、家屋が連担する都心に広大な土地を確保することが困難であったことから、都市公園である名城公園の一角を利用する計画としました。建設当時、都市公園法は、下水道施設を都市公園内に設置することを想定していなかったため、都市公園のままでは建設できないことから、下水処理施設を建設する範囲を公園区域から外して建設することとしました。言いかえると、下水道施設を建設するためには、都市公園を縮小せざるを得ないという状況でした。なお、名城公園と隣接した下水処理場となることから、その上部空間を公園と一体的に活用できるよう、下水処理施設に覆蓋を施し、全国で初めて上部空間をテニスコートとして開放しました。

 下水処理施設建設におけるこうした課題を受け、一定の条件を満たした場合は、下水道施設を都市公園内に設置できるよう、昭和44(1969)年に都市公園法の政令改正が行われました。この法改正を受け、都市公園内に下水処理場を建設した例としては、昭和48(1973)年、久屋大通公園南端の地下に建設された堀留水処理センター新処理施設があります。堀留水処理センターは日本初の活性汚泥法による下水処理場として昭和5年に運転を開始しましたが(堀留処理場(現在の堀留水処理センター)について)、汚水量の著しい増大により施設の拡張が必要になりました。この新処理施設の地上部の公園内には、平成10(1998)年にランの館(現在の「久屋大通庭園フラリエ」)が建設されました。なお、拡張前の施設は、現在は運転休止していますが、下水道供用開始100周年を記念して、この旧施設も見学いただける「下水道歴史メモリアルゾーン」ができました。
堀留水処理センター
堀留水処理センター
久屋大通公園南端の地下に新処理施設を設置し、上部には久屋大通庭園フラリエがあります。
(赤枠:堀留水処理センター、青枠:久屋大通公園)

名城水処理センター
名城水処理センター
名城公園北端に設置し、上部をテニスコートとして開放しています。
(赤枠:名城水処理センター、青枠:名城公園)