名古屋市上下水道局

・日本の緩速ろ過の歴史

最終更新日:2014年02月28日

 緩速ろ過は1829年に英国で開発された処理方式で、コレラや赤痢など水系伝染病に有効な浄水処理としてヨーロッパで広まり、やがて世界中で導入されていきました。日本でも、明治20年(1887年)に最初の近代的な水道施設として緩速ろ過が横浜市に導入されて以来、戦前の浄水処理はほとんどが緩速ろ過でした。

 緩速ろ過池は、コレラなど水系伝染病対策の緊急性が高かった三府(東京府、京都府、大阪府)五港(函館、横浜、新潟、神戸、長崎)をはじめとし全国各地で築造されました(表1)。このうち、明治21年(1888年)に築造された函館市の赤川低区浄水場、明治37年(1904年)に築造された岡山市の三野浄水場、明治38年(1905年)に築造された下関市の高尾浄水場、明治39年(1906年)に築造された佐世保市の山の田浄水場では、100年以上が経過する今もなお当時の施設が使用されています。

表1 緩速ろ過池の築造

都市名 築造年
横浜 明治20年 1887年
函館 明治21年 1888年
長崎 明治22年 1889年
大阪 明治26年 1893年
広島 明治29年 1896年
東京 明治29年 1896年
神戸 明治32年 1899年
岡山 明治37年 1904年
下関 明治38年 1905年
佐世保 明治39年 1906年