安定したサービスをお届けするための新しい技術の活用
最終更新日:2023年04月01日
1.最初はなかった水道メータ
大正3年の給水開始当初、一般家庭の水道にメータは取り付けられておらず放任給水制(どれだけ使っても料金は同じ)を原則としていました。しかし、給水開始から数年がたつと、水道使用者の増加と放任給水に起因して給水量は激増し、給水能力を脅かすまでになっていました。その対策として、大正9年度から原則すべての水道にメータを取り付け、計量制(使った量により料金が変わる)に切り替えることになりました。以降、太平洋戦争から戦後の一時期を除き、水道メータは水道の使用量を知り、上下水道料金を計算するための重要な機器として設置され続けてきました。その間、様々な種類の水道メータが作られ、そして今、新たな可能性を秘めた水道メータが登場しています。
昭和20年代の国産メータ | メータ検針の様子 |
2.新しい水道メータについて考えています
近年、通信機能をもち、現地に行くことなく遠隔で使用水量が確認できる新しいメータ=「スマートメータ」が登場しています。
多くの方の上下水道料金は、各ご家庭・事業所の敷地内に設置している水道メータを人が検針することによって算出しているため、立会いが必要な際にお客さまの都合がつかない場合や、荒天のため検針ができないなど、外部の要因によって検針業務が影響を受ける場合があります。水道スマートメータが導入されれば、敷地内に立ち入ることなく決まった日時に検針ができ、水漏れなども今より早く感知することができるなど、お客さまへの新たなサービスを提供できる可能性があるほか、局にとってもより適切な配水量の管理・設備の維持管理などに活用できると期待されています。
料金課では、水道スマートメータ導入の可能性について、メータ会社など関係事業者と協力しながら実証試験を行い、調査・検証を行っています。
スマートメータ(愛知時計電機株式会社提供)
3.仕事をする上で意識すること
水道メータは、場合によっては地下深い場所や建物が密集した場所、立ち入りが危険な場所などにあることもあり、水道スマートメータ導入を検討するうえでは、どのような条件下でも問題なくデータ取得ができ、正確な検針ができることが大前提となります。
現在実施している実証試験では、毎営業日ごとに検針データの確認を行い、取得内容に異常がないか気を配っています。水道スマートメータはまだまだ新しいメータのため知識不足を痛感することもあり、全国で実施されている同様の実証についての情報収集も行いながら事象ごとに疑問点を確認し、知識の習得に努めています。また、トラブルが起きた際には関係事業者と協力して原因を検証し、それに基づいた対応策を考え、実行することで局としても知見を蓄えています。
水道スマートメータには、お客さまへの新しいサービス提供の可能性がある一方で、これまでと異なる検針方法となることに不安を覚える方もいると考えています。「何が変わり、どのようなことができるのか」などを、自分自身の言葉でお客さまに説明できるよう、十分に検証を行い、理解を深めていけるよう心がけています。
新しい技術であるため、様々な課題が生じ、悩んでいる様子
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4.安定した検針業務を続けていくために
上下水道事業はお客さまからいただく料金で成り立っていることから、正確・確実な検針による料金算定が求められるとともに、「お客さまに満足いただけるサービスを提供し続けること」を常に考えていく必要があります。水道スマートメータは安定的な定例検針の実現に加え、お客さま自身が水道利用の状況を今よりも細かく知ることができる可能性をもつなど、多くのメリットがある一方で、情報の取扱いにかかるセキュリティ対策や、様々な条件下でも問題なく検針ができるのかを十分に検証し、お客さまへ丁寧に説明していく必要があると考えています。
社会的に働き手が減少している中で、昨今の技術の進歩はめざましいものがあります。これからもお客さまから信頼を寄せていただけるよう、情勢の変化に応じた持続可能な検針業務の道を模索してまいります。
お客さまに満足いただけるサービスを提供し続けていくため、日々奮闘していく
<上下水道をささえる人たち>
●上下水道01/さらなる信頼関係を築いていきたい
●上下水道02/資産を有効活用した収益の確保
●上下水道04/将来を見据えた人材育成
<名古屋市の職員採用情報>
『これまでの上下水道110年の歴史の中で、たくさんの職員が携わり、事業を支えてきました。私たちと一緒に、これからの上下水道を支えてみませんか?』
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●職員採用ナビ
(注)名古屋市公式ウェブサイトにリンクしています。