名古屋市上下水道局

なごやの水道 歴史探検vol.8~水道料金(計量制の実施)~

最終更新日:2024年08月22日

なごやの水道 歴史探検vol.8

名古屋市の水道は大正3(1914)年9月に給水が開始されました。開始当初は、一般家庭用は放任給水制(定額制)を原則とし、計量制により料金を徴収するのは、多量使用者または特殊な用途に限っていました。しかし、給水開始後数年を経るにしたがい、給水需要者が増加すると共に水道使用量が激増し、創設当時の計画給水人口の半ばに達しないうちに早くも給水量において給水能力を脅かすに至りました。これに対して市としても水量調節に関して研究調査を重ね、乱用浪費の防止のために苦心しましたが、水道使用量の勢いは衰えませんでした。そして、大正8(1919)年8月には、1日の最大使用量(約46,600立方メートル)が給水能力(約51,200立方メートル)に近づき、翌夏の給水不足が心配される状況になりました。

節水宣伝のビラ
節水宣伝のビラ

もはや、一時的な方法では解決不可能な段階になり、抜本的な解決策を講じなければならない事態になりました。

 

その解決策として、

第1案:拡張工事を施行し水量の増加をはかること。

第2案:専用給水および共用給水のうち支栓および浴槽を有するもの、牛馬を飼養するものに限り量水器を取付けること。

第3案:専用、共用給水全部に量水器を取付けること。

 

以上のうち第1案は多額の費用と工事期間が長期に及ぶこと、第2案は量水器を取り付ける経費は少ないが一時的な対策に過ぎないこと、第3案は最も公平であり合理的な方法であることから、第3案の実施により数年間使用水量を維持調節し、その間に拡張計画を進めることを妥当と認めた3案を採択することとなりました。

 

大正9(1920)年度より量水器の取付けを行い、使用水量に応じて水道料金を徴収する計量制へと切り替えられました。同年4月1日からの水道料金には最低給水料が設けられ、超過料金については全て計量によることとなりました。料金は、10立方尺(約0.278立方メートル)につき1銭2里5毛でした。