メキシコ市への技術協力


メキシコ合衆国(以下「メキシコ」という。)はアメリカ合衆国の南にあり、人口は約1億2,701万人で、ヨーロッパ系と先住民の混血(60パーセント)、先住民(30パーセント)、ヨーロッパ系(9パーセント)、その他(1パーセント)から構成されています。面積は約196万平方キロメートルで日本の約5倍です。首都はメキシコ市で、公用語はスペイン語、国民の約9割がカトリックを信仰しています。
メキシコ市は連邦区と呼ばれ州から独立しています。人口は約892万人で、16の行政区で構成されています。周辺の首都圏を併せると、目下サンパウロ市(ブラジル)とともに人口では世界最大級の都市です。また世界の主要都市としては例がない海抜約2,200メートルの高地に位置しています。
メキシコは中南米を代表する経済規模を誇る国家でありながら、カリブ海沿岸のカンクンなどのリゾート地やアステカやマヤの遺跡、スペイン植民地時代の歴史的建造物などが点在し観光資源にもめぐまれています。

メキシコ市 | 名古屋市 | |
人口 | 約892万人 | 約230万人 |
面積 | 約1,595㎢ | 約326㎢ |
下水道普及率 | 94.0% | 99.0% |
下水処理施設 | 26施設 | 15施設 |
下水処理率 | 11% | 99% |
JICA草の根技術協力事業「メキシコ市における下水処理改善プロジェクト」
(1)研修の概要
本プロジェクトは、下水処理場における設備・水質について、予防保全的な維持管理、効率的な運転管理を行えるようにすることと、水環境保全についてメキシコ市民の意識向上を図ることを目的としています。実施期間は平成26年度から平成28年度までの3 年間で、当局にメキシコ市上下水道局の職員を受け入れるとともに(本邦研修)、当局から職員をメキシコ市へ派遣して(専門家派遣)、下水処理等に関する研修を行いました。
本邦研修


水処理センターの視察 講義のようす
専門家派遣


現地指導 点検実施状況
(2)さいごに
メキシコの研修員は、約3週間にもわたる長期の研修にもかかわらず、いつも熱心に講義を聴いていました。また、ディスカッションにも非常に熱心で、しばしば予定時間を超過することがありました。このような研修に対する姿勢は、当局職員も見習うべきことが多く、お互いに実りのある研修になったと思います。
本事業は平成28 年度で最終年度になりました。アクションプランも概ね目標を達成することができ、当局は充実した技術支援を行うことができました。今後も引き続き、メキシコ市との協力関係を継続していきたいと思います。