名古屋市上下水道局

安全でおいしい水道水を作り続けます

最終更新日:2024年04月15日

大治浄水場浅井係長


1.おいしい水道水の歴史

「日本一おいしい水」をめざす名古屋の水道は、3つの浄水場でつくられます。大正3年に最初に給水開始した鍋屋上野浄水場、名古屋の発展に伴う水需要の増大に対処するために昭和21年に給水開始した大治浄水場、高度経済成長のさなかの昭和44年に給水開始した春日井浄水場です。
鍋屋上野浄水場
最初に給水開始した鍋屋上野浄水場

水道水のおいしさの追及は、昭和54年に「うまい水研究会」を水道局内に設置し、全国に先駆けおいしい水の供給に関する研究を実施したことに始まります。同研究会では、浄水処理工程のみならず、配水時の温度上昇や着色障害、塩素臭等の解消についても検討を行い、その報告書がおいしい水を供給するための事業を行う際の指針となりました。

その後も、おいしい水の追及は現在まで引き継がれ、令和元年には「日本一 安心・安全でおいしい水道水プロジェクト2023」を策定しています。「安心・安全でおいしい水道水」の安定供給に向け、「断水のないなごやの水道」の伝統を継続するとともに、SDGsの理念を踏まえた事業運営にあたっています。
「うまい水研究会」報告書
「うまい水研究会」の報告書



2.水道水の水質確保

浄水場では、安全でおいしい水道水をお客さまへお届けするため、24時間365日水道水をつくり続けています。私が所属する水質係では、浄水処理の各工程の水質を確認し、最適な浄水処理を行うよう運転管理を行うとともに、できあがった水道水の水質検査を行って安全性を確認し、お客さまへお届けしています。

浄水処理の最終工程であるろ過池の出口では水の濁りが無いことを常に監視し、外観がほとんど無色透明であることとして定められた濁度2度の水質基準よりはるかに低い0.1度を常に下回るように浄水処理を管理しています。また、水道水に不快な臭気がないか、分析機器による測定や、人の臭気試験で確認するとともに、必要に応じて活性炭処理を行うなど浄水処理を強化して対応しています。
大治浄水場_採水大治浄水場_感応検査
水質試験を行うための採水の様子人の嗅覚でも毎日確認を行います
 
 

3.水質をみる上で意識すること
お客さまのお口に入る水道水ですので、何か問題が起こってからではなく、問題が起こらないように事前に対処する必要があります。そして、安全な水道水を24時間365日利用できるという、お客さまにとっての当たり前を、途切れることなく提供していきたいと考えています。

そのために、浄水処理に問題が起きていないか、その恐れがないか、日々の水質変化を把握することで未然に兆候を察知して対応できるよう心掛けています。特に、豪雨や台風または水源での事故等により、水源の水質が悪化した場合に、浄水処理の強化等の必要な対策を速やかに行うための準備を怠らないよう心掛けています。

大治浄水場_中央管理 大治浄水場_生物監視
中央管理室で浄水処理の状況を確認します 生物モニターでも水質異常を 監視します

 

4.これからも安心して水道を使用していただくために
お客さまに安心・安全な水道水を、当たり前に使っていただくことが、私たちの使命だと考えています。うれしいことに、名古屋市民1万人を対象としたアンケートの『「望ましい姿」に対する現在の満足度』という設問において、「いつでも安心しておいしい水が飲める」という項目の満足度が1位となるなど、名古屋の水道水は市民の皆様から高い評価をいただいています。このように、先輩職員が長い時間かけて築き上げたお客さまからの信頼を私たちが引き継ぎ、次の世代に繋げていきたいですね。

一方で、最近ではじゃ口の水をそのまま飲むことに不安を感じているお客さまも多いと聞いています。水道の水質基準は一生涯飲み続けたとしても健康に影響が出ない値で定められており、名古屋の水道水は、これらの基準より十分に良好な水質になっています。また、基準が定められていない項目も、最新の知見を収集して必要な検査や調査を実施していくことで、お客さまが安心して水道水を利用していただけるよう努めています。

大治浄水場_ラスト
お客さまの当たり前を支える現場です

 


<水道をつくる人たち>
 ●水道01/安定した水源を確保するために

 水道02/持続可能で強靱な水道システムを構築します
 水道04/「水が出るのが当たり前」の生活を支えます ~前編~
 水道05/「水が出るのが当たり前」の生活を支えます ~後編~

<名古屋市の職員採用情報>
『これまでの上下水道110年の歴史の中で、たくさんの職員が携わり、事業を支えてきました。私たちと一緒に、これからの上下水道を支えてみませんか?』
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