うるおいライフ 趣味:水道

教えて!お風呂のチカラ!

適正な温度


 お風呂の温度は、季節や好みに合わせて決めていると思いますが、じつは温度のわずかな差で、体に働く効果が劇的に違ってきます。

 人の体には、自分では動かすことができない自律神経があり、内臓など体のバランスの働きを調整してくれています。この自律神経には、作用が相反する交感神経と副交感神経があり、これらがバランスを取って、健康を維持しています。交感神経は、心身を狩猟にいくような興奮状態にし、副交感神経には、休息やリラックス状態にする働きがあります。じつは、お湯の温度によってこの2つの神経の反応が真逆に変わってきます。

  42 ℃以上の熱いお湯に入ると、交感神経が高ぶり、血圧が上がったり、脈が速くなったり汗をかくなど興奮状態になります。逆に内臓などの胃腸は、狩猟には関係ないため、働きが弱まります。

 一方、 40 ℃程度のぬるいお湯は、副交感神経を刺激し、血圧を下げ、汗もかかず、心身がリラックス状態になります。反面、胃腸は活発に働き、消化が良くなります。 

 これらの効果を利用すると、さまざまな病気予防や改善にお風呂を活用することができますが、 42 ℃以上のお湯に長時間入ると血液の粘度が上がり血栓ができやすくなるので、心身にやさしい 40 ℃より低いぬるま湯がオススメです。


医学的にお風呂が体にいい理由


お風呂が体にいい理由として、医学的に5つの作用が考えられます。

(1)温熱作用
 温かいお湯につかると、まずは体の表面が温められます。次に体の表面近くの血液が温められ、全身に巡っていきます。温められることで、血管が広がるため、血の巡りが良くなります。これはお湯につかるからこそ得られる効果であり、シャワーだけでは、その効果が弱いとされています。
 血液によって、老廃物や二酸化炭素が体外に排出され、体がリフレッシュします。お風呂に入るとすっきりするのはこの湯熱作用によるものです。また、体が温まることで、筋肉や関節の緊張がやわらいで、肩こりや腰痛、筋肉痛の痛みが緩和される効果もあります。

(2)静水圧効果温泉イメージ
 水中では、1mの水深で1cm2あたり100gの重さが水圧としてかかります。立ち仕事や妊娠中に起きやすい、足のむくみ解消にお風呂が効果的なのは、重力で足にたまった血液や体液が水圧で心臓に押し戻されるからです。半身浴よりも全身浴の方が、高い効果が得られます。

(3)浮力
 水につかるとかかる浮力は、体重60kgの人がたった6kgになるほど大きなものです。体が軽くなり、リラックスできると同時に、関節への負担も減少します。

(4)粘性・抵抗性
 水には粘り気があります。お風呂で手足の曲げ伸ばしなどのストレッチをすると効果的なのは、この性質のおかげです。

(5)清浄作用
 お湯には皮膚をきれいにする清浄作用があります。お湯につかるだけで、毛穴が開き、皮膚の汚れは十分に落ちるため、タオルでゴシゴシこすったり、石鹸を使う必要はありません。

医学的に正しいお風呂の効果的な入り方


安全に、効果的にお風呂に入るためには、医学的に正しい手順があります。

(1)水分を摂る
 お風呂に入ると汗をかき、温度や湿度にもよりますが、約800mLの水分を失うというデータもあります。水やお茶でもいいのですが、市販のイオン飲料は、体への吸収がよく、オススメです。

(2)かけ湯(シャワー)
 手桶で10杯ほど手や足の先から、体の中心部や頭へと順番にかけていきます。かけ湯には、体の汚れを取り、湯船の中を清潔に保つことと、血圧の急上昇を防ぐ役割があります。

(3)半身浴
 体が湯の温度に慣れるまでは、みぞおちあたりまでゆっくりとつかりましょう。

(4)全身浴
 汗が額ににじんだら、体が熱くなりすぎたというサインなので、一度湯船から出ましょう。

(5)洗い場で髪や体を洗う
 お風呂には「洗浄作用」があるので、髪や体を洗う時には、ゴシゴシこすらず、泡立てた石けんでやさしくなでてあげるくらいで十分です。

(6)全身浴

(7)お風呂から出る
 お風呂から出るときには、湯冷めしないよう、十分に水分を拭き取りましょう。

(8)水分を摂る

(9)休息

夏でもお風呂に入ったほうが良い理由~入浴して毛穴を開くことで、汚れが落ちやすくなります~

 
 夏になると、体を温める必要もなくなり、シャワーだけですませてしまう人も多いと思いますが、夏でも毎日お風呂に入ることをオススメします。
 夏は、汗などで、体が汚れやすいですが、入浴して毛穴を開くことで、汚れが落ちやすくなります。
 また、冷房などで、体や足元が知らないうちに冷えてしまっていることがあります。お風呂で温めることは、女性に多い夏の冷え症対策にもなります。
 清潔面や健康面、リラックス効果の意味でも夏の入浴はオススメです。実際に、夏でも毎日湯船で入浴している人の方が、体調が良い人が多いという調査結果があります。入浴剤には、夏用のひんやりした感覚を味わえるものや、重曹が入ったさっぱりとしているものも多く発売されているので、入浴剤を上手に使い分けて、夏でもお風呂を楽しみましょう。


半身浴よりも全身浴が良い理由~全身浴の方が、カロリーを消費できます~


 ダイエット目的の「半身浴」がありますが、健康な方には、全身浴をオススメします。なぜなら、半身浴で長くお風呂に入って汗をかいても、ダイエット効果はほとんどなく、むしろ全身浴の方が、カロリーを消費できるからです。また、肩こりや頭痛持ちの方も、体が温まりやすく、血流がよくなるので全身浴の方が効果があります。さらに、湯の量が多く、深い方が、水圧が強くなるため、足のむくみ解消にも、半身浴より効果があります。
 逆に、半身浴のメリットは、心臓や肺に疾患のある方や、ゆっくり長く入浴したい方にとっては水圧がかからないため、体にやさしいということです。38℃のぬるめのお湯で20分~30分半身浴をすることで、夏などは冷房で冷えた下半身が温まり、自律神経のバランスを整えたり、免疫力の低下を防ぐことができます。
 ただ、お風呂の心身への直接的な効果では、全身浴がオススメです。医学的にも、ぬるめのお湯での全身浴が一番健康に良いとされています。


風邪のときのお風呂


 「風邪で熱があるときは、お風呂に入らない方がよい」と言われていますが、熱が38℃未満で体調が良ければ、お風呂に入っても問題はありません。(ただし、主治医から入浴を控えるように言われているときはその指示に従う)
 以前は自宅にお風呂を持たないところも多く、入浴後の湯冷めの心配もあって風邪のときのお風呂は禁物という医師の指導になっていたと思われます。また、風邪のときにお風呂に入っても、風邪の治りは悪くならなかったという研究報告もあります。しかし、高熱のときや、疲れすぎているとき、体力が落ちているときは病気を悪化させる危険があるので、安静にしましょう。
 ほかにも、体温を上げることで抗ウイルス作用のあるリンパ球が活発に働くという研究もありますので、風邪の予防としても、シャワーよりも体温が上がる入浴がオススメです。