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適正な温度

 お風呂の温度は、季節や好みに合わせて決めていると思いますが、じつは温度のわずかな差で、体に働く効果が劇的に違ってきます。

 人の体には、自分では動かすことができない自律神経があり、内臓など体のバランスの働きを調整してくれています。この自律神経には、作用が相反する交感神経と副交感神経があり、これらがバランスを取って、健康を維持しています。交感神経は、心身を狩猟にいくような興奮状態にし、副交感神経には、休息やリラックス状態にする働きがあります。じつは、お湯の温度によってこの2つの神経の反応が真逆に変わってきます。

 42℃以上の熱いお湯に入ると、交感神経が高ぶり、血圧が上がったり、脈が速くなったり汗をかくなど興奮状態になります。逆に内臓などの胃腸は、狩猟には関係ないため、働きが弱まります。

 一方、40℃程度のぬるいお湯は、副交感神経を刺激し、血圧を下げ、汗もかかず、心身がリラックス状態になります。反面、胃腸は活発に働き、消化が良くなります。 

 これらの効果を利用すると、さまざまな病気予防や改善にお風呂を活用することができます。特に感染症の不安があるときは、絶えず交感神経が刺激されていることになりますので、お風呂では副交感神経を高めることが大切です。また、42℃以上のお湯に長時間入ると血液の粘度が上がり血栓ができやすくなるので、心身にやさしい40℃より低いぬるま湯がオススメです。

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