日本ガイシ スポーツプラザ(温水プール)のご紹介
<名古屋市上下水道110周年特別企画>
上下水道局の職員が、水道水をたくさん使用していただいているお客さまのもとを訪問し、施設の概要や水道水の使用用途についてインタビューした内容をご紹介します!
シリーズ第2弾は、プールやトレーニング室などの様々な施設があり、アーティストのライブ等も行われている「日本ガイシ スポーツプラザ(名古屋市総合体育館)」です。
(施設外観)
「日本ガイシ スポーツプラザ」には2つの温水プールと競泳プール、飛込プールがあり、年中通して多くの水道水をご利用いただいています。
温水プールは、利用されたことのある方も多いのではないでしょうか?
今回は、この温水プールを中心に、施設の管理を行っている名古屋市教育スポーツ協会さまに取材をさせていただきました。
(取材日:令和4年8月22日)
1.日本ガイシ スポーツプラザについて
(1)概要
「日本ガイシ スポーツプラザ」は施設数が多く、「日本ガイシホール」、「日本ガイシアリーナ」、「日本ガイシフォーラム」の3つのグループで構成されています。このうち、「日本ガイシホール」に25メートル温水プール、「日本ガイシアリーナ」に50メートル温水プール、競泳プール、飛込プールがあります。
(施設の案内看板)
(2)プールの紹介
プールの水にはすべて水道水をご使用いただいています。
施設全体で使用する水道水のうち、ほぼ全てをプールでご利用いただいているそうです。
◆25メートル温水プール
全部で7コースあり、写真右側の幼児用のコースは、水深が0.3~0.6mと浅くなっています。
水温は、30.0℃に保たれています。
小学生を対象とした水泳教室など、さまざまな教室も開催されており、取材日には親子ベビースイミングの教室が行われていました。
(25メートル温水プール)
◆50メートル温水プール
全部で8コースあり、水深は1.2m、水温は30.0~30.5℃に調整されています。
50メートル温水プールのある施設はめずらしく、市内ではここ「日本ガイシ スポーツプラザ」と「南陽プール」の2カ所にあります。
競泳プールで競技大会が行われる際は、選手たちはこのプールでアップをし、体を温めてから本番に臨むそうです。
(50メートル温水プール)
◆競泳プール・飛込プール
「日本ガイシ スポーツプラザ」には、温水プール以外に、競泳プール(50m)と飛込プールがあります。
どちらも、日本水泳連盟が定める公式競技会又は、公認競技会に使用する競技場として適格と認められたプール(公認プール)であり、様々な競技大会に利用されています。競泳プールは、7~8月のみ個人での利用も可能です。
(競泳プール)
取材日の前日に行われた「中部学生水泳競技大会長水路記録会」では、 競泳女子200mメドレーリレーで日本新記録が出たそうです!
競泳用プールや50メートル温水プールでは、競泳中に水がプールの壁に当たって波立ち、泳ぎに影響が出ることを防ぐために、水面とプールサイドの高さが同じになるように工夫されています。
(50メートル温水プールのプールサイド)水面が壁よりも上に設定されています。
次に、競泳プールの隣にある飛込プールですが、水深は5mもあり、一番高い飛込台の高さは10mになるそうです。
この飛込プールを利用した、飛込教室も開催しているとのことでした!
(飛込プール)
また、この競泳プール・飛込プールのある場所は、冬季にはアイスリンクに変わります。
専門業者の方が約1か月かけて転換作業をされるそうです。
(アイスリンク)
2.プールの管理について
温水プールの水温・水質の管理についてや、プールの水の入れ替えなどについてうかがいました。
(1)衛生・安全管理について
プールの衛生管理・安全管理は、利用者の安全を守るうえでとても大事なことです。
愛知県では、「愛知県プール条例」において施設面・衛生面でのプール管理の基準が定められています。
各温水プールでは、毎日1時間に一度(1回5分程度)、水温・水素イオン濃度(PH値)・残留塩素濃度などをプールの3か所で測定しています。
その際に底に何か落ちていないか、排水の蓋が外れていないか等の安全確認も行っているとのことでした。
この間、利用者にはプールサイドに出て、休憩をしていただきます。
また、測定した結果は、プール管理日誌に記録として残しているとのことです。
(プール管理日誌)こちらに毎時間水温などを書込みます。
毎日の検査のほか、月に一度の残留塩素濃度や濁度など7項目の水質検査、年に一度の水質検査などがあり、専門の業者が検査を行っているそうです。
(2)プールの水の循環について
プールの水は、利用者が泳いだり、プールとプールサイドを出入りすることで減ったり、汚れたりしてしまいます。
プールの水をきれいに保つために、各温水プールではろ過循環装置を使用しています。プールの底にある取水口から水を取り込み、ろ過循環装置で水をろ過してから再度プールに給水します。この作業は、25メートル温水プールの場合、一日5ターン(冬は4ターン)行っているそうです。他にも、常時プール全体の5%の水量分は新規の水道水を補給しているとのことでした。
(ろ過循環装置の取水口の位置(左)とプールへの給水位置(右))
(3)中央監視室について
25メートル温水プールの中央監視室を特別に見せていただきました。
中央監視室では、常時プールに異常がないかを職員の方が監視をしています。
(中央監視室の様子)
ろ過循環装置や水質をコントロールする機械などは、奥の機械室にあり、水温や残留塩素濃度、水素イオン濃度(PH値)の調整もここで行われているそうです。残留塩素濃度の調整は、通常自動で行われていますが、一度に多くの人が利用したりすると、濃度が低くなることもあるため、その際は職員の方が手動で注入することもあるそうです。
(中央監視室奥の機械室の様子)
(温水プール循環ろ過機)
(温水プールの水質コントローラー)
プールの水を消毒し、衛生を保つために必要な塩素は、感染症予防のためにとても大切です。 残留塩素濃度の基準値は0.4~1.0ppmと定められており、25メートル温水プールで0.6ppm、50メートル温水プールでは0.45~0.50ppmと設定されているそうです。容量が小さいプールの方が設定値から外れやすいので、容量の大きいプールと比較して少し高めの設定にしているそうです。
(0.6ppmとは、ご家庭の浴槽(約200リットル)に対して目薬3滴くらいの量です。)
(4)プールの水の入れ替え、清掃について
3.まとめ
今回は、「日本ガイシ スポーツプラザ」の温水プールを中心に紹介させていただきました。
取材を行うなかで、毎日・毎月の水質検査などによる衛生管理や安全管理などにより、利用者の安全を守るために日々尽力してくださっていることが分かりました。
ここ数年は、新型コロナウイルス感染症の影響により利用者数が減っており、現在の利用者数は以前の6割程度とのことでした。
(コロナ禍前の年間利用者数:25メートル温水プール約6万人、50メートル温水プール約7~8万人)
<参考>
上下水道局(水道局)が、過去に附帯事業としてプール事業を行っていたことをご存じですか?
なごや上下水道110年の豆知識(プール事業、製氷事業)はこちらから
上下水道局の職員が、水道水をたくさん使用していただいているお客さまのもとを訪問し、施設の概要や水道水の使用用途についてインタビューした内容をご紹介します!
シリーズ第2弾は、プールやトレーニング室などの様々な施設があり、アーティストのライブ等も行われている「日本ガイシ スポーツプラザ(名古屋市総合体育館)」です。
(施設外観)
「日本ガイシ スポーツプラザ」には2つの温水プールと競泳プール、飛込プールがあり、年中通して多くの水道水をご利用いただいています。
温水プールは、利用されたことのある方も多いのではないでしょうか?
今回は、この温水プールを中心に、施設の管理を行っている名古屋市教育スポーツ協会さまに取材をさせていただきました。
(取材日:令和4年8月22日)
1.日本ガイシ スポーツプラザについて
(1)概要
「日本ガイシ スポーツプラザ」は施設数が多く、「日本ガイシホール」、「日本ガイシアリーナ」、「日本ガイシフォーラム」の3つのグループで構成されています。このうち、「日本ガイシホール」に25メートル温水プール、「日本ガイシアリーナ」に50メートル温水プール、競泳プール、飛込プールがあります。
(施設の案内看板)
(2)プールの紹介
プールの水にはすべて水道水をご使用いただいています。
施設全体で使用する水道水のうち、ほぼ全てをプールでご利用いただいているそうです。
◆25メートル温水プール
全部で7コースあり、写真右側の幼児用のコースは、水深が0.3~0.6mと浅くなっています。
水温は、30.0℃に保たれています。
小学生を対象とした水泳教室など、さまざまな教室も開催されており、取材日には親子ベビースイミングの教室が行われていました。
(25メートル温水プール)
◆50メートル温水プール
全部で8コースあり、水深は1.2m、水温は30.0~30.5℃に調整されています。
50メートル温水プールのある施設はめずらしく、市内ではここ「日本ガイシ スポーツプラザ」と「南陽プール」の2カ所にあります。
競泳プールで競技大会が行われる際は、選手たちはこのプールでアップをし、体を温めてから本番に臨むそうです。
(50メートル温水プール)
◆競泳プール・飛込プール
「日本ガイシ スポーツプラザ」には、温水プール以外に、競泳プール(50m)と飛込プールがあります。
どちらも、日本水泳連盟が定める公式競技会又は、公認競技会に使用する競技場として適格と認められたプール(公認プール)であり、様々な競技大会に利用されています。競泳プールは、7~8月のみ個人での利用も可能です。
(競泳プール)
取材日の前日に行われた「中部学生水泳競技大会長水路記録会」では、 競泳女子200mメドレーリレーで日本新記録が出たそうです!
競泳用プールや50メートル温水プールでは、競泳中に水がプールの壁に当たって波立ち、泳ぎに影響が出ることを防ぐために、水面とプールサイドの高さが同じになるように工夫されています。
(50メートル温水プールのプールサイド)水面が壁よりも上に設定されています。
次に、競泳プールの隣にある飛込プールですが、水深は5mもあり、一番高い飛込台の高さは10mになるそうです。
この飛込プールを利用した、飛込教室も開催しているとのことでした!
(飛込プール)
また、この競泳プール・飛込プールのある場所は、冬季にはアイスリンクに変わります。
専門業者の方が約1か月かけて転換作業をされるそうです。
(アイスリンク)
2.プールの管理について
温水プールの水温・水質の管理についてや、プールの水の入れ替えなどについてうかがいました。
(1)衛生・安全管理について
プールの衛生管理・安全管理は、利用者の安全を守るうえでとても大事なことです。
愛知県では、「愛知県プール条例」において施設面・衛生面でのプール管理の基準が定められています。
各温水プールでは、毎日1時間に一度(1回5分程度)、水温・水素イオン濃度(PH値)・残留塩素濃度などをプールの3か所で測定しています。
その際に底に何か落ちていないか、排水の蓋が外れていないか等の安全確認も行っているとのことでした。
この間、利用者にはプールサイドに出て、休憩をしていただきます。
また、測定した結果は、プール管理日誌に記録として残しているとのことです。
(プール管理日誌)こちらに毎時間水温などを書込みます。
毎日の検査のほか、月に一度の残留塩素濃度や濁度など7項目の水質検査、年に一度の水質検査などがあり、専門の業者が検査を行っているそうです。
(2)プールの水の循環について
プールの水は、利用者が泳いだり、プールとプールサイドを出入りすることで減ったり、汚れたりしてしまいます。
プールの水をきれいに保つために、各温水プールではろ過循環装置を使用しています。プールの底にある取水口から水を取り込み、ろ過循環装置で水をろ過してから再度プールに給水します。この作業は、25メートル温水プールの場合、一日5ターン(冬は4ターン)行っているそうです。他にも、常時プール全体の5%の水量分は新規の水道水を補給しているとのことでした。
(ろ過循環装置の取水口の位置(左)とプールへの給水位置(右))
(3)中央監視室について
25メートル温水プールの中央監視室を特別に見せていただきました。
中央監視室では、常時プールに異常がないかを職員の方が監視をしています。
(中央監視室の様子)
ろ過循環装置や水質をコントロールする機械などは、奥の機械室にあり、水温や残留塩素濃度、水素イオン濃度(PH値)の調整もここで行われているそうです。残留塩素濃度の調整は、通常自動で行われていますが、一度に多くの人が利用したりすると、濃度が低くなることもあるため、その際は職員の方が手動で注入することもあるそうです。
(中央監視室奥の機械室の様子)
(温水プール循環ろ過機)
(温水プールの水質コントローラー)
プールの水を消毒し、衛生を保つために必要な塩素は、感染症予防のためにとても大切です。 残留塩素濃度の基準値は0.4~1.0ppmと定められており、25メートル温水プールで0.6ppm、50メートル温水プールでは0.45~0.50ppmと設定されているそうです。容量が小さいプールの方が設定値から外れやすいので、容量の大きいプールと比較して少し高めの設定にしているそうです。
(0.6ppmとは、ご家庭の浴槽(約200リットル)に対して目薬3滴くらいの量です。)
(4)プールの水の入れ替え、清掃について
温水プールなど本施設のプールでは、年に2回、繁忙期前の6月(50メートル温水プールは5月)と年末の12月にプールの水を全て抜いて、水の入れ替えを行っています。
一度の入れ替え作業で、25メートル温水プールでは400立方メートル、50メートル温水プールでは1,020立方メートルもの水道水をご使用いただく計算になります!
「1,020立方メートル」の水量というのはなかなか想像しづらいですよね。ご家庭の浴槽(約200リットル)で表すと約5,100杯分となり、毎日湯船につかって約14年分の水量となります!
水の入れ替えの際は、清掃も行っており、排水口の点検・清掃、プール水槽内の清掃などをされているそうです。
また、プールサイドや更衣室・トイレの清掃は、毎日営業時間前と後に行っているそうです。
3.まとめ
今回は、「日本ガイシ スポーツプラザ」の温水プールを中心に紹介させていただきました。
取材を行うなかで、毎日・毎月の水質検査などによる衛生管理や安全管理などにより、利用者の安全を守るために日々尽力してくださっていることが分かりました。
ここ数年は、新型コロナウイルス感染症の影響により利用者数が減っており、現在の利用者数は以前の6割程度とのことでした。
(コロナ禍前の年間利用者数:25メートル温水プール約6万人、50メートル温水プール約7~8万人)
「日本ガイシ スポーツプラザ」では、貸出物品の消毒や健康チェックシートの記入をお願いするなど、プールを利用される方に安心してご利用いただくための感染症対策も実施されています。休日などにぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
関連サイト
日本ガイシ スポーツプラザ ウェブサイトはこちらから
日本ガイシアリーナ ウェブサイトはこちら
(公財)名古屋市教育スポーツ協会 ウェブサイトはこちらから
今回目撃した「なごやの水道水の行方」
利用者に1年中安心してご利用いただけるプールの水として活躍! |
<参考>
上下水道局(水道局)が、過去に附帯事業としてプール事業を行っていたことをご存じですか?
なごや上下水道110年の豆知識(プール事業、製氷事業)はこちらから
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