Lang.

DHC名古屋株式会社のご紹介

<名古屋市上下水道110周年特別企画>
上下水道局の職員が、水道水をたくさん使用していただいているお客さまのもとを訪問し、施設の概要や水道水の使用用途についてインタビューした内容をご紹介します!

シリーズ第3弾は、DHC名古屋株式会社の名駅東エネルギーセンターです。
名駅東エネルギーセンターは、ミッドランドスクエアの地下5階にあり、約6,700平方メートル(テニスコート約150面分の広さ!)の面積があります。
ここでは名駅東地域の地下街(ユニモールやサンロード)やビル(ミッドランドスクエアや名古屋ビルディング)など全10カ所が使う冷房、暖房、給湯用の冷水や蒸気を製造し、それぞれの利用施設に送っています。このようなシステムを地域冷暖房と言います。


DHC名古屋株式会社から冷熱を供給している建物
名駅東エネルギーセンターの冷房能力は、家庭用エアコン(10畳用)でいうと約1万6,000台分、暖房能力は家庭用給湯器(20号)でいうと約1,100台分に相当するそうです。また名駅東エネルギーセンターでは、11名の運転管理者が交代で働いており、24時間365日休みなく運転をしています。そのおかげで私たちは、名駅東地域の施設でいつでも快適な空間を過ごすことができています。


  1. 1.「地域冷暖房」とその施設について
(1)地域冷暖房とは
地域冷暖房とは、お店やオフィス、ホテルなどの冷暖房、給湯に必要な冷水や蒸気を、1カ所でまとめてつくり、周辺地域に供給するしくみです。
地域冷暖房の仕組みの図解
1カ所に集約することで冷凍機や蒸気ボイラーなどの設備を大型化することができ、冷水・蒸気をまとめて製造するため使用エネルギーの効率がよくなり、供給も安定します。愛知県では名駅東地域の他にも、ささしまライブ24やセントレアなどにも導入されており、私たちの生活を大きく支えています。

(2)設備のご紹介
次に名駅東エネルギーセンターで実際に使われている設備をご紹介したいと思います。

ターボ冷凍機の写真
まず1つ目はターボ冷凍機です。名駅東エネルギーセンターでは、電力が安い深夜に、この機械で冷水を作っています。
深夜のうちに作られた冷水は、実際に冷水を使用する日中になるまで、蓄熱槽に貯められます。
ちなみに名駅東エネルギーセンターの蓄熱槽は約3,000立方メートルで、これは25メートルプールの約5.5倍もの体積があるそうです。

蓄熱取出用熱交換器
2つ目は蓄熱取出用熱交換器です。熱交換器とは簡単にいうと、熱を交換するための機械です。
例えば冷たい液体と温かい液体があったとします。2つの液体が触れ合うと、それぞれの温度は少しずつ均一になっていきます。
この時、温かい液体からは冷たい液体へと熱が移動しているのです。熱交換器ではこの性質を利用しています。
ターボ冷凍機で作られて蓄熱槽へと送られた冷水(冷熱)は、この熱交換器によって取り出されて、実際に使う施設へと送られていきます。
送られた冷水はその施設内でさらに循環し、最終的に名駅東エネルギーセンターへと戻ってくるそうです。

最後に最も使用水量が多い設備をご紹介したいと思います。

冷却塔の写真
(ミッドランドスクエア低層棟の屋上にある冷却塔)

一番使用水量が多い設備は、冷却水を冷やすための冷却塔です。この冷却塔はミッドランドスクエア低層棟の屋上に設置されています。
都市部の中心に設置されているため、外観や冬場の白煙対策についてはしっかりと配慮をされているそうです。
この冷却塔では、温められた冷却水を再度冷やしてから、先ほど紹介したターボ冷凍機などに送っています。

冷却塔と蓄熱槽の図解
冷却水を冷やす、といっても冷蔵庫のような冷たい場所に入れるということではありません。
冷却塔では水が蒸発する際に周りの熱を奪うという気化熱の原理を利用して、冷却水を冷やしています。
そのため、ここでは補給した水の90%が蒸発する構造となっているそうです。
また全体で使用している水道水の約90%が、この冷却塔への補給に使われています。
年間の使用水量としては夏が一番多く、7から9月の水道水の使用量は、なんと1年間のうち約60%を占めるそうです。

突然ですがここでクイズです!
一番使用水量が多いのは夏ですが、実際に約何立方メートル使用していると思いますか?(7月から9月の3か月分)

A.70立方メートル B.700立方メートル C.7,000立方メートル D.70,000立方メートル

頭にはてなを浮かべている女の子
正解はDの約70,000立方メートルです!非常にたくさんのお水を使っているんですね!

冷却塔は地域冷暖房の中でも大事な役割を担っている設備です。
名古屋市の上下水道局で作られた水道水は、このようにして名古屋東地域にある施設を支えています。

2.地球に優しい地域冷暖房
地域冷暖房では、それぞれのビルや施設に届ける冷水・蒸気を1カ所で製造しています。
このようにする事で、それぞれの施設で冷暖房を設置した時と比べると、エネルギー消費量を約85.8%まで減少させる事ができます。
これは1カ所に設備を集約する事で、それぞれの施設で冷暖房を設置する時よりも大規模な設備を設置できるためです。
そのため、通常よりも高い効率での運転が可能となり、CO2の削減やヒートアイランド現象の防止にもつながっています。
水道水についても大事な資源のため、日々の使用量や季節ごとの使用量の変化には、常に注意を払っているそうです。設備の管理では、各種ポンプの水漏れ点検、設備のブロー水管理等を行っています。

3.まとめ
DHC名古屋株式会社の名駅東エネルギーセンターをインタビューさせていただきました!
10カ所の大型施設で使う冷暖房や給湯に必要な冷水や蒸気を、たった1カ所の施設でまかなっているという事に驚きました。
また供給先の10カ所の施設はよく利用する施設ばかりで、最初は聞きなれなかった「地域冷暖房」というシステムが、取材を進めるにつれて徐々に身近に感じるようになりました。
私たちが取材を通して地域冷暖房を知ったように、皆さまにもこの記事を通して地域冷暖房に興味を持っていただけると嬉しいです。
気になった方はぜひ下記のリンクからウェブサイトを確認してみてください♪

DHC名古屋株式会社のウェブサイトはこちら
(外部リンクに移動します。)


関連記事一覧

交通局藤が丘工場の車両の写真


特別企画第1弾!
交通局藤が丘工場を訪問しました!

日本ガイシスポーツプラザの写真

特別企画第2弾!
日本ガイシスポーツプラザを訪問しました!

広報動画の撮影の様子

木曽川〇なごやの水応援大使の御嶽海関にご出演いただき、広報動画を撮影しました!